イギリスで修行中

イギリス留学で気づいたことをメモします

イギリス喫煙事情

 
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夜な夜なドミトリーの机で紙巻きたばこをつくる

外で吸うことには寛容で分煙意識は希薄

 ヨーロッパはかなり喫煙者に厳しいというイメージがあったが、実際にイギリスに来てみるとそうでもない印象だ。建物の中では一切吸えないが、外に出れば基本的にどこでもタバコを吸える(人の迷惑にならないようにするのは当たり前だが)。カフェなどのテラス席には灰皿が用意されている場合が多いし、街中にでいると道端でプカプカと煙をくゆらせている人をそこかしこで見かける。

 僕がいま住んでいるのは留学生用の寮だが、中庭には大量の灰皿が容易されている。留学生の大半を占める中国人の喫煙率は概して高いが、中でも女の子が喫煙者が多いのが驚きだ。また、イギリス人スタッフの喫煙率もかなり高い。もっともこれは、スタッフが結構ガラの悪いというか、いわゆる"マイルドヤンキー"的な社会階層の人が多いからかもしれない。

 このように、「屋外でたばこを吸う」ということに関しては、イギリスはかなりユルイ。日本よりも分煙意識も低いといえるだろう。

一箱1300円なので紙巻きたばこを自作

 しかし、イギリスが喫煙者にとって天国かというと、そんなことは全くない――タバコの値段が高すぎるからだ。マルボロが9ポンドと聞いたから、一箱で1300円近くする。しかも、タバコのパッケージには、グロテスクな汚れた肺の写真が添付されている。

 そこで僕がどうしたかというと、以前イギリスに留学していたスモーカー友達の入れ知恵もあって、タバコを自分で作ることにしたのだ。まあ、自分で作るといっても、タバコの葉っぱを育てて、ということじゃなくて、単に葉っぱを買って自分で紙巻きたばこをつくるというだけなのだが。

 「GOLDEN LEAF」という銘柄が一番安くて、50グラムで15ポンド。それでも2000円ちょっとはするが、これで約一週間持つ。一日当たり300~400円と考えれば、日本で一日一箱吸っていた僕としては妥協できる値段だ。

ローリングマシーンを中国人留学生に販売

 キャンパスの近くの雑貨店で「ローリングマシーン(紙巻きたばこをつくる手動機械)」を買った僕が、中庭で紙巻きたばこを作り出したら、周りの中国人留学生たちもローリングマシーンを欲しがった。

 たまたまシティセンターのポンドワールドに1ポンドで売っているのを見つけたので、いくつか仕入れて3ポンドで売っている。まあ、薄利だけど悪くないビジネスだと思う。

 最近いろいろ買いすぎている。湯沸かし機とコーヒーと書籍を合わせ8000円分くらいアマゾンで買ったし、シムフリーのiPhone5Cを1万3千円くらいで買っちゃったんだよな…。あとは3000円くらいの時計も買った。

 これは必要だから仕方ないんだけど、ファイルとかクリップボードとか文房具を30ポンドくらいか。今日はシティセンターでアンディに注文していた財布も受け取るし…。バイトを見つけないとな…。

 いまイギリスは土曜日の午前3時。ミュンヘンの襲撃事件をBBCで見ている。犯人は18歳のジャーマンイラニアンだという。ニースに続いたな…。トルコのクーデター未遂とそれに続く粛清をはじめ、ヨーロッパを取り巻く国際情勢が本当に揺れている。

近況報告

 

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晴れ渡る空(寮の部屋より)

 

書きたいのに筆不精

 書くべきネタは溜まる一方なのだが、どうも不精で更新をさぼっていました。文章を書く仕事をしたいと希望しているのに、筆不精ってどうなんですかね…。それはさておき、今日からはもう少しカジュアルに、いろいろと書いていきます。

 現地時間7月18日(月)の午前1時です。サマータイムとはいえ、さすがに外は暗いですが、4時前には空が明るくなりだすでしょう。さて、土日は何をして過ごしていたかを報告したいと思います。

アンディの店

 土曜日は12時くらいに起きた。カフェで飯を食っているとCEO(31歳の元セールスマネージャーのおにぎり君みたいな中国人留学生)と一緒になり、少し話したあとに自転車でシティセンターに行ったた。中古で120ポンドと、少し値は張ったが、購入した自転車がものすごく活躍している。買ってよかった。

 大学からシティセンターまでは約20分ほどかかるが、よい運動になる。古本屋兼ビンテージショップみたいな、といってもものすごく小さい、アンディというオジサンの店にいって、ノーフォークの歴史本と、シャーロックホームズのペーパーバックを購入した。

 そして、前から頼みたかったオリジナル財布をオーダーしてしまった…。60ポンドのうち、デポジットで20ポンドを先払いした。財布は大学入学以来、とくに新しいのを買っていたなかった。今度の土曜日にはできているそうで、とても楽しみなのだが老父癖のある僕のことなので、ちょっと危ない兆候を最近感じている。

 その後、小さな電機屋にいって、自転車用のライトを買った。おばあさん客が、上空を見上げながら「ストームがくるわよ」といってて、「まじか」と思ったが、結局なにもなかったなあ。天気の変わりやすいイギリスでは、天気の話が好まれるとは聞いていたが、やはりそうなんだなとは思った。

 最後にコスタでアイスカフェラテを飲んで帰った。途中で行きつけのハンバーガーショップに行って、ダブルチーズバーガーセットを買って食べた。ポテトの量が今日も半端なかった。寮に帰ってくると、CEOとアーチ―がいて、雑談した。韓国のJUNがロンドントリップから帰宅して、そこに加わった。

 その後、図書館にいってチェスタトンの本を読んだり、PCで研究分野が気になる教授にメールを送ったりした。最近、修士に進む周りの学生に触発されて、俺も留学期間をエクステンドして、チェスタトンに関する論文をまとめてみたいと考え始めてしまった。どうしようか。それはそれとして、結局、朝四時頃まで図書館にいた。

ポンドワールド

 日曜日は11時くらいに起きた。ベッドで買い置きのバナナとチョコレートを食べながら、ジェレミー・パックスマンのブリュッセルドキュメンタリーを見てたりしたので、結局13時くらいまでぐうたらしてしまった。その後、カフェで飯を食おうと外に出たのだが、あまりの快晴に外に飛び出したくなった。

 洗濯物をランドリーに残したまま、自転車でシティセンターへ。もはや日課といっていい。すべての商品が一律百円のポンドワールドという、100円均一的な店でノートやペンを購入したあとで、お気に入りのNERO CAFEへ。

 なんていうのか知らないのだけど、ラテをシェイクしたやつをいつも飲んでいる。3.35ポンドは、冷静に考えてみると、結構高いよね…。最近、周りの学生が、より安い寮や市外のアパートに引っ越すことを考えているとよく聞くので、俺もどうしようかななんて思いをめぐらす。

 さて、帰宅すると、おなじみCEOと、裏原(っていまもいうのかな?)好きの中国人留学生がいて、話し込んだ。裏原は、スポーツセンターで水泳帰りだという。中国人留学生はスポーツ好きが多い。

 そういや、ランドリーで別の中国人留学生に5ポンドでランドリーカードを貸したな。洗濯には2ポンドくらいしか必要でないんだけど、あいにくおつりの持ち合わせがなかった。ぼったくりをした気分になったが、まあいいや。

 夕飯はカフェで食べた。韓国人のJUNがいて、韓国ジャーナリズムや軍役、日本の安保法制に関する談義をする。韓国左派に北朝鮮シンパが多いのは、90年代の学生運動の鎮圧に米国が協力した反動で、西欧政治学から距離を置いた学生たちが、主体思想の研究に走ったということらしい。京郷新聞は人気あるみたいな話もしていたな。

 図書館でチェスタトン本を読んだ後、部屋に戻ってアマゾンでiPhone5Cを中古で注文してしまった。まさしく浪費癖だが、これはやむを得ない面もある。日本から持ってきたソニーのエクスペリアの電源ボタンが故障したからだ。

 まあ、80ポンドだし、いいよね…。来月以降あまりカネを使うチャンスはないと思うし、バイトもはじめるし…。でも正直いらなかったかもといま思っている…。あと20ポンドくらいの時計だけ欲しいんだけどね…。どうしよう…。

 あと携帯会社のEEの支払いができなくて困っている。クレジットカードがなぜか受け入れられない。シティセンターのショップにもいったのだけど、日本と違って窓口支払いができず、ただこの番号に電話しろというのみ。困ったな。とりあえず、銀行経由で支払いができるかを明日確認して、無理だったら水曜部にスタッフのボブに相談する。

 そして図書館にいって本読んだ後、コートヤードで南昌ボーイと談笑した。中国の建設需要が減っているらしい。俺が思うに、習近平が汚職撲滅で不必要な公共事業を減らしているからではないか。中国という国には大事なことだが、業界にとっては大打撃だよね。GEVINとCEOとタバコを吸い、CEOとリソースセンターで少し勉強する。レクサがケンブリッジから帰ってきてあいさつ。そしていまから寝ます。

 

 

 

 

 

 

イギリスEU離脱反対派集会@ノーリッジ地方議会前

1000人超が集まった残留派集会

 現地時間7月7日の午後19時頃、ノーリッジのシティセンターに出かけたら、幸運にもEU離脱反対派の集会に遭遇した。壇上の赤い旗には「NORWICH LABOR PARTY FORWARD WITH SOCIALISTS」とあるので、イギリス労働党のノーリッジ支部が主催したのだろう。

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(「EUなしには生きられない」@Norwich City)

 相当な人数がいたので、まあ500人くらいかな、と思っていたが、ローカルテレビ局の「MastardTV」が1000人以上が集まったとレポートしていた。若い人もかなりいたが、子ずれも多かったし集まった人の年齢層はは30~40歳くらいだったと思う。司会はテーンネイジャーっぽい男女がしていた。

  壇上に上がったのは、地元の政治家や活動家っぽい人とか、UEAの教授などだった。全部の演説を聞けたわけではないけど、汎ヨーロッパ的なアイデンティティや、増加するヘイトクライム、保守党およびメディア批判、そしてEU残留の利点などを主張していた。リベラル派らしい内容だったのでおおよそ理解できたが、僕自身が不勉強で社会保障の話とかはよくわからなかった。

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(EUの旗や、シンボルカラーの青い服を着た人も結構いた)

 たしか地元の作家だと記憶しているが、「憎悪に基づく民主主義は失敗にしかならない」みたいなことを言っていた。みんな原稿をきちんと用意して演説に臨んでおり、ロジカルで聞きやすかった。運動や異議申し立てを続けて、二回目の国民投票を目指そうという人もいた。(これは実際には難しいらしいのだが、詳細はよく知らないので、かけない。あとで調べます)。

タクシーのおじさんは離脱派だった

 イギリスで2016年6月23日に行われたEU離脱を問う国民投票の結果は、残留(Remain)が約48パーセントだったのに対して、離脱(Leave)が約52パーセントで、離脱派の勝利に終わった。

 僕の意見としては、グローバル経済が先行き不透明であり、移民・難民問題が深刻化するなかで、ある程度は国民国家という単位で物事を考えていこうというのは現実的な選択肢だと思う。また、官僚機構としてのEUが腐敗しているという現状もあるらしい。

 しかし、僕が受講しているイギリス人の先生たち多くは「離脱なんてトンデモ」「困ったことになった」という意見が多い。ロンドンからノーリッジまで送ってもらったタクシーのオジサンだけが、「オレは離脱に投票した」と言っていた。

 アジア人ばかりに囲まれている状況なので、イギリス人の本音は探れていないし、日々のドタバタで雑誌関連もフォローしきれていない。今日の集会を見て、これからEU離脱問題をしっかりと研究しなければと、改めて思わされた。

 

 

 

マザコン中国人留学生の決心

 同じクラスに30歳の中国人留学生R君がいる。体重は100キロ近くてオニギリ君みたいなR君は、もともと中国で会社員をやっていたのだけど、英国でどうにか経済か経営系のマスターをとって、ファーウェイに転職したいらしい。そんな彼は、1年間語学の授業を受けてから、マスターに進もうと考えているので、2年間イギリスにいるつもりだそうだ。

 

 で、その間に、中国帰ったりしないの?と何気なく聞いたら、「いや、もうそろそろ母親から離れるべきだと思うんだ」と急に言い出した。「イギリスにつくまでは、実家に残してきて来た母親のことが心配だったんだけど、最近どうでもよくなっちゃってさ。アイフォンのフェイスタイムで『IT’S TIME TO LEAVE』っていったんだ。それ以来、もう連絡は取っていないんだ。中国に帰ったら、故郷の南京を離れようと思っている」とのこと。

 

 でも、なんでイギリスに来る前には母親を心配していたの?と問うと、「いや、おれの髪の毛を洗ってくれる人がいないなとか、そういうことだよ。人間にはそれぞれの使命があるだろ?だから、自己中心的になるべきなんだ。そう思うよ」だって。なんか中学生の家出みたいで、一人っ子政策の歪みを見たよ…。面白いからいいんだけどね…。「お母さん、絶対かなしむよ」とは言っておいた。

少林バスケに参加

 

 喫煙所で仲良くなった広東省出身の映画コース修士プログラムのG君に誘われて、中国からの留学生たちのバスケに参加してきた。おれは全然スポーツはダメで、中学1年生の時に野球部を仮入部期間にやめてから何もやっていない。まあでも、せっかくなので行ってみた。

 

 スポーツセンターのバスケットボール場にあつまったのは、全部で10人くらいだった。一人につき2ポンドでコートを借りられる。みんな中国人だけど、イギリスで最近出会ったメンバーらしい。中国人は、国外でも組織力があると感心する。

 

 3人1組のチーム戦をやった。おれはG君と、背の高い山東省出身の学生と同じチーム。まさに"少林バスケ"で、レベルは高い。おれは相手プレイヤーをマークしたり、たまにシュートしたりと、邪魔にならないようにしていた。一回だけゴールできてよかったよ。

 

 1時間半ほどフルに走り回って、すっかりクタクタになったけど、ある学生は「これからまた別のバスケの集まりに参加してくる」という。「彼、体力あるね」というおれに、G君は「もの足りなかったんだろう。中国ではバスケ場借りるのがタダだから、6時間くらいぶっ続けでやるからね」と。日中戦争は避けたいと切実に思った。

 

 みんなフレンドリーだったけど、「中華料理では空芯菜が好きだな」というおれに、「ぼくは日本のAVが好きだよ」と返してくるやつがいたのは複雑だった。

なんにせよ、おれはダイエットしたいと前から思っている。楽しかったし、バスケはよい運動になるので、G君にはまた誘ってもらいたい。 

 

はじめに

 現地時間で2016年7月3日、22時8分です。イングランドの東側のノーリッジという街にいます。サマータイム(?)で21時くらいまで外が明るいのですが、いまやっと暗くなってきました。

 

 日本では、この出版不況に、大学時代からずるずるとフリーランスライターとして底辺生活をしていた僕ですが、今回チャンスがあって留学しました。いま20代ギリ前半ですが、「そんなのんびりしていていいのか」と周りからは言われました。若干、日本の仕事が残ってて、立つ鳥跡を濁しまくりなのが気がかりなんですが。すいません。

 

 さて、いまイギリスは政治的な転換期にあります。ご存じのとおり、EU離脱を決めた国民投票があって、それに付随してキャメロン首相の辞任、そして保守党の次期党首をめぐる争いに発展しています。しかも、次期首相として有力視されていたボリス・ジョンソン前ロンドン市長が、マイケル・ゴーヴ司法相によって"政治的に暗殺"されて、混戦の模様になっています。

 

 このブログでは、政治ネタから、日々の留学生活まで、気づいたことをメモのように書き並べていく予定です。この好機に渡英したのだから、思わず何かを書き残しておきたいという気分なのですが、余裕がないため、断片的な記事が多くなると思います。もしよかったら読んでください。